看護師にとって、接遇という概念は患者との信頼関係を築くためにも大切です。大きな病院では、各部署に「接遇マナー担当者」を設置して接遇の周知徹底をしています。そんな病院では、ビデオ資料を作成するなどして、接遇の研修を実施しているほど重要です。「すべての患者に神対応」をキャッチフレーズとして看護に当たっている病院もあります。
医療サービスには、患者への介入による影響の不可逆性や命を脅かす状況、患者と医療専門家の知識格差、弱者としての患者の権利擁護などの特性があります。また、医療機関の場合は、厳しく質の保証が求められます。そんな中、できる接遇は、弱い立場にある患者や家族に対して、丁寧な説明を行うことと、個別的なケアを実施することです。このようなサービスが患者との信頼関係を築く重要な役割を果たします。
質の高い接遇の第一歩はしっかりとあいさつをすることです。日々、多忙な看護師ですが、作業をしながらあいさつすると事務的だなと受け取られてしまいます。必ず、作業の手を止めてあいさつするように心がけましょう。また、患者と親しくなると忘れがちなのが敬語です。信頼関係を失わないためにも、いつも敬語で話すことを心がけるのが得策です。
なお、身だしなみも大切です。白衣はもちろんのこと、頭髪やメイクなども気をつけるようにしましょう。爪もしっかり切り、名札が患者に見やすいようにつけることを心がけるのも大切です。接遇を積極的に採用している病院では、身だしなみチェックリストを作成しています。